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leo9ball Column

9ballではなくて1ballじゃん、なんて突っ込まれると汗がでます
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No.13  21世紀は新たなるジャポニズムの創生期

前回、「レオナール・フジタ」の感想を書いていた際に、 白鳥正夫さんという方の「「文化」は生きる力だ」という名前の本を見つけた。
この本の題名に興味が湧き、いずれは読んでみたいところでありんす。
なぜそう思ったか。

数年前、ドライブをしていてふと気が付いたこと。
どこを運転していても、その町その町の特徴が全然見えないこと。
標識の行き先表示を見なければ、どこを運転していてもそう大した違いはない。
ビルと人目につくようにと作られたでかく味気のない派手な看板ばかり。

地方都市はどこも似たり寄ったりの没個性。
景観の調和も考えられずに作られた町。文化のなくなった町。
便利で無機質な、歴史の厚みが無い町。最低限の文化は土地土地の方言だけ?

特色の無い地方都市をみるよりは、嫌いだった東京の方が、 刺激的でイベントにも事欠かなくて、少し面白く感じられるようになった。
結果論からしか言えないけれど、20世紀後半の日本はわきめも振らず経済の数字しか 追えなかったのかなと思う。戦後の人々が頑張ったおかげでモノは溢れかえり技術は向上したが、 心は豊かにならなかった。と、既に使い古された言葉を再認識した。
貧相な環境は、貧相な人間しか生み出せない。
野菜も人間も似たようなものかもしれない。

こんな日本に誰がしたなどと言ったところで責任者が具体的に居てくれるわけでもなく、 ましてや自分もそんな文明生活に甘んじているからこの言葉をどこに向ければいいのかわからず、 結局飲み込む。


ところで最近、本屋をうろちょろしてて気が付いたこと。
一つのカテゴリの中に、細分化された様々な本があるということ。
音楽の本いろいろ、自転車の本いろいろ、建築の本いろいろ、酒の本、地方雑誌・・・といった按配で。
読者層のターゲットを絞る為にそうなったのかどうか、それはわからないけれども、 これはいい現象だと受け止めている。
それらの様々なカテゴリの中のそれぞれが更に洗練されて、更にそのうちに日本独自の文化を 築くことにつながることを望んでいる。

「人間は肉体と精神とでできています。
肉体を維持するためのビタミン剤や栄養補助食品は過剰なくらい出回っているし、 それらのものに関しては、あなた方もとても敏感に反応する。
なのに、もう一方の精神を健やかに維持するものに対して、あまりに無頓着です。

では、精神におけるビタミン剤や栄養補助食品に匹敵するものは何か?
それこそが「文化」なのです。
ですから、それが欠ければ、当然精神的栄養失調が起きます。
いたずらにイライラしたり、焦りを覚えたり、落ちこんでみたり、自身をなくしたり、 理由のない怒りがフツフツと湧きあがってきたり・・・
そんな経験があるとしたら、あなたの心が飢えている証拠でしょう。」
(三輪明宏「天声美語」より引用)

日本人として外国人に、アニメ以外にも素晴らしい文化があるんですぜ!と、 誇りをもって自慢できる日を待ち望みたい。
そんな日は、今よりもきっと信じられるものや人が増えて、もっと生活を楽しめる に違いないと思っている。
向かうべき方向はいたってシンプル、先行き透明な新しきジャポニズム。
(2004/6/8up)




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