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leo9ball Column

9ballではなくて1ballじゃん、なんて突っ込まれると汗がでます
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No.12  レオナール・フジタ

ここ半年ほどで、自分の美術館の周り方に変化があるのに気がつきました。

貧乏性なたちなので、以前は美術館に入ると元を取ってやるぞとばかりにどの絵に対しても 比較的時間をかけて周ってみる方でした。
最近はというと、大体簡単に全体を流して直感的に気に入った絵があれば、その絵をこころゆくまで 眺めるようなスタイルになってきていると思います。

物覚えが悪いのでたくさん絵を見ても興味のない絵は覚えていない。 それならば、気に入った絵だけを眺める方が心に残るし、疲れが少ない。
(美術館って、見て周るうちに結構疲れてしまいません?)
多分、自分の中でそのような経緯を辿って現在のスタイルになったのだと思います。

で、ひろしま美術館の常設展。(ひろしま美術館さんにとびます)
自分の好きな感じの絵ばかりで結局疲れました・・・。
ゴッホやセザンヌ、ピカソと言ったメジャーどころの絵の方は名画というか、自分でも知っている絵はなく、初めてみる絵ばかりでしたが、 それでも、広島県に居て超メジャーな画家の絵が見られるだけでもとても幸せだと思います。
どのような人生を画家が過ごしたのかを少し知るだけでも、絵の見方が変わって楽しくなり、 フリーパス会員のマロニエカード(5000円ナリ)を購入したくなるのではと思います。
別にひろしま美術館のまわしものでもないのですが。
(個人的にはマロニエカードのクレジット機能はいらないから即発行可能なフリーパスカードが欲しい)

今回みた常設展のなかで一番の収穫はレオナール・フジタ(藤田嗣治)の「裸婦と猫」。 彼の描く線の細さ。その線に含まれる、怖いくらいの緊張感。人物の鋭い眼差し。 色彩豊かな他の絵と違い、モノトーン調で描かれたその絵は自分にとっては一際異彩を放って いるように思えました。
私を知っている方からすれば、何故自分がレオナール・フジタに興味をもったか別の理由もすぐにわかってもらえるかと 思います。(笑) この方に興味を持たれたかたは「なぜ開けない 藤田嗣治展」(白鳥正夫のぶんか考)もどうぞ。
次に印象的だったのはモディリアーニの「青いブラウスの婦人像」の哀しくて暗い青。
少しだけ彼の人生について聞いたことがあるせいか、この女性をみてぱっと彼を追いかけるように自殺した 女性を想像してしまったのだけど、描かれた年代が違うから、多分違う女性なのでしょう。

面白いなと思った絵はシャガールの「わたしのお婆ちゃん」。
なんとなく頭巾の模様といい、日本人のお婆ちゃんに見えて仕方がないのだけど、持っている本は どうもやっぱりロシア語くさい。いつも自分がシャガールの絵に抱いている雰囲気と違い、どことなく ユーモラスでかわいい感じ。

ルオーの絵(版画だっけ)は多分自分が好きな類の絵ではないかも。とも思うのだけど、丸みを帯びてシンプルな人物像には 独特の柔らかさと温もりのようなものを感じました。「でも、愛することができたらどんなに幸せだろう」というような題名にも惹かれた 部分があるのかもしれません。

他にも好きな絵はドガやデュフィやらいろいろとあるのですが、 今度はフジタに会うつもりでひろしま美術館に行きそうです。(2004.5.30)




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